◇新規事業に参入する際の市場調査と分析
1.市場調査と分析
新規事業を立ち上げる際は、参入しようとしている市場について、調査や分析が必要です。 事前に、十分な調査や分析をせずに、市場に参入してしまうと、実際には、市場の規模が小さすぎたり、 市場の変化を予測できずに、「まったく売れない」ということにもなりかねません。投入していく自社の資源(資金、人材など)のロスを最小限にするためにも、十分な調査が必要になってきます。
参入しようとしている市場の現状(顧客や競合他社)や、市場が今後どのように変化していくのか?について予測することによって、自社の参入方法や成功の見込みを立てていくことにが重要になります。
2.調査・分析する内容
市場の調査や分析をするときに、何について調べるのか?何について分析するのか?について説明します。調査する上では、あくまで、調べようとする市場の”土地勘”を養うことが重要です。調査する範囲を網羅することにこだわって、時間をかけ過ぎないように注意したいところです。
⑴参入しようとしている市場は、どの程度の規模(金額)なのか?
現在の市場規模(〇〇億円/年)と、市場の成長率(例:年率○%増)について調べます。市場規模などの調査結果は、既に調査済みの市場(業種)もありますが、市場規模や成長率についての調査結果が存在しない市場(業種)の場合は、いくつかの調査結果をもとに推測していくことになります。市場規模や市場の成長率を推測する際は、正確な数字を算出できることに越したことはありませんが、あくまで、市場の実態と大きく外れないぐらいの数字(金額、成長率)を、推測できれば十分です。
⑵誰が買っているのか?
商品やサービスを購入する顧客が、個人なのか?それとも、法人(企業・団体)なのか?によって、購入する理由が異なってくることもあります。また、法人(企業・団体)対象であっても、大企業を対象とするのか?中小企業を対象とするのか?によって、販売しようとする商品やサービスの中身が違ってきますし、販売方法や販売ルートも異なってきますので、顧客を、より具体的に想定していく(絞っていく、細かく分類していく)ことが、販売する商品やサービスの内容を検討していく際にも重要になります。
⑶商品やサービスが売れている理由は何か?
売れている商品やサービスが、売れている理由は何か? また、あまり売れていない商品やサービスが売れていない理由は何か?について調査や分析をおこないます。売れている商品やサービスが売れている理由を探っていくと、自社の商品やサービスを考える上でのヒントになります。
・商品やサービスの価値・魅力がある?
・商品やサービスの価格が安い?
・販売場所や販売方法が良い?
・広告や宣伝が上手い? など
⑷自社の強いところ(強み)と弱いところ(弱み)
自社と競合他社とを比較して、自社の強いところ(強み)と弱いところ(弱み)を見つけていきます。自社の強いところ(強み)や弱いところ(弱み)は、できるだけ客観的に把握しておきたいところです。市場に参入する際に、自社の強いところを(強み)活かす方法と、自社の弱いところ(弱み)を補う方法について検討します。
・顧客のニーズを的確に捉えている?
・技術力が高い?
・既存顧客数が多い?
・資金力がある?
・販売力がある? など
このように、調査や分析をすすめていくと、新規事業へと参入していく際に、自社の参入方法や成功の見込みを立てていくことができます。
by 株式会社プロヴィンチャ